概要

冒頭、主催者を代表して岡田代表幹事が挨拶した。老健医療研究会のスタートは8年前に、自身が大会会長となった名古屋市で行われた愛知大会の際に、併せて実施したことを紹介。
 「老健医療研究会は今回で8回目を迎えるが、その目的は日進月歩の医学・医療、それに伴い変化する社会に対応するための研究・勉強が必要だと考えた。また、研究会を通じて医療の経済性を考えようと思った。要するに厚生労働省からエビデンスを持って来いといわれたときに、研究会でとりあげたデータを持って厚労省と交渉しようということだ。さらにもう1つは医師だけでなく、看護師や介護職など他の職種の人たちも一緒に勉強してはどうかということで取り組んできた」と述べた。
 その上で、「ほぼいままでは順調に進んできたが、社会も変わってきている。今後も研究会を発展させ、皆さんとともに勉強していきたい。ここで得られた知識は各施設に持って帰り、日ごろの診療などに役立ててほしい」と述べた。

講演Ⅰは「“高次脳機能障害”―訓練と対応―」で、講師は名古屋市総合リハビリテーションセンター高次脳機能障害支援部の深川和利部長。座長は全老健理事である髙椋清老健医療研究会副代表幹事。深川部長は昭和63年に名古屋市立大学医学部を卒業し、平成20年から現職。厚生労働科学研究「高次脳機能障害者の地域生活支援の推進に関する研究」東海ブロック委員、愛知県高次脳機能障害支援普及事業相談支援体制連携調整委員などを務める。
 講演では、高次脳機能障害の診断基準、高次脳機能障害の4つの症状(注意障害、記憶障害、遂行機能障害、社会的行動障害)の特徴や対応の仕方などを説明した

講演Ⅱは「BPSDに対応する向精神薬使用ガイドライン」で、講師は全老健の三根浩一郎副会長。座長は岩手大会大会会長である長澤茂老健医療研究会企画運営担当幹事。
 三根副会長は昭和56年に聖マリアンナ医科大学を卒業し、平成24年から現職。公益社団法人日本精神科病院協会の高齢者医療・介護保険委員会委員、独立行政法人国立長寿医療研究センターの認知症医療介護推進会議委員および認知症サミット日本主催のレガシーイベント・専門分科会実行委員会委員などを務める。
 講演では、厚生労働科学研究事業で作成したガイドラインの内容、薬物療法前後のチェックポイント、抗精神病薬をはじめとする各向精神薬の特徴や注意点などを解説した(P26)。

講演Ⅲは「介護老人保健施設における終末期ケア」で、講師は名古屋大学医学部附属病院の平川仁尚病院助教。座長は岡田代表幹事。
 平川助教は平成10年に名古屋大学医学部を卒業し、平成25年から現職。なお、平成26年12月1日から名古屋大学大学院医学系研究科国際保健医療学・公衆衛生学教室講師に就任している。主な研究として、日本版高齢者終末期ケア認定介護士養成プログラムの開発、高齢者終末期ケアワークショップ・ファシリテーター養成プログラムの開発などがある。
 講演では、介護施設での看取りの現状と課題、介護職員への教育的取り組み、介護施設におけるリビングウィル、全国規模のワークショッププログラムの紹介がテーマとなった参加者から積極的に質問があがり、成功裏に終了した。

機関誌『老健』平成27年1月号に掲載